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平成27年11月 秋号


私の相棒と集団精神療法 小長井大輔

 暑い暑いとさざめかれていた夏は気がつけば終わり、秋寒が肌を撫でるようになった。やがてその空気は凛として尖りバイク乗りの私を突くようになるのだろう。この過ごし易い季節を大事にしたい。
 職場を変え、居住地を変えているうちに長い付き合いのある友人が減ってきてしまったが、親兄弟の次に長い付き合いとなっているのがバイクである。医師になり貰えた初任給に浮かれてバイクショップに駆け込み、新車を(もちろんローンで)購入した。以来、唯一無二の相棒である。彼にしてみればもっと小柄で温和な性格のオーナーが良かっただろうが、申し訳ない。幾度のツーリングの旅にエンジンをフル回転させて働いてもらっている。北は北海道の稚内宗谷岬、南は紀伊半島潮岬、東は千葉県銚子の犬吠崎、これらは全て走破した。西側はまだ長崎に到達できておらず鳥取砂丘までである。
 印象的な景色や体験はいくつもあった。北海道周遊ではサロマ湖に沈む夕日に感激し、大雪山山麓の水墨画のような山肌に驚愕した。摩周湖の山林で蝦夷鹿の群れに併走して熊から逃げたり、襟裳岬で霧に巻かれて1m先が見えず迷ったこともあった。群馬・草津志賀高原ルートの春の開通日に最初の一台として大自然が造作した純白の雪の壁を堪能したり、岐阜・郡上八幡の踊りの夜をどぶろくとともに(下戸なのだが)楽しんだりもした。山形・最上川の川下り船を横に見ながら山奥に分け入り秋田の秘湯・泥湯温泉で乳白色の湯を浴びた。山陰の鳥取砂丘から城崎温泉まで、あるいは秋田の男鹿半島から青森の下北半島・大間まで海岸線の小道を走ったこともある。伊豆半島、房総半島、紀伊半島、能登半島、津軽半島は外周を回った。琵琶湖や沖縄本島は1周した。北海道は5周しているが。これまでの旅について個々に語ろうとするなら紀行本が一冊書けるくらいの内容は持っている、と自負している。
 旅は良い。自らを豊かにしてくれるし、他の人との繋がりの契機となる。外来診療で患者様が生まれ故郷や旅行先の話をしてくれると、そこに根ざした人々の、とりわけお世話になった宿や食堂の人の顔が思い浮かぶ。もちろん、その土地の名物、美味しい食事に接した舌の記憶も蘇る。こうした会話はとても楽しいし、ややもすると平坦になりがちな毎回の診療も少し彩りあるものになるのではなかろうか。
 ともかく、バイクは大切な相棒である。日本全国を走りきるまで彼に休んでもらうつもりはない。溝口病院に来てからは諸事情によりロングツーリングから縁遠くなってしまっているが、まだ四国九州という大物が控えている。新車の時と比べるとあまり無理が利かなくなってきているが、労わりつつなんとか全国走破まで頑張ってもらうとしよう。

 話は変わる。皆さんは、相手に気持ちを伝えることが上手に出来ていますか。ありがとう、嬉しいです、すみません、ごめんなさい。家族や友人に対して、あるいは世話をしてくれた、助言をくれた人に対して。挨拶をしてもらった近所の方にでも構いません。日常生活の中で、相手がどこまで自分のことをわかってくれているか、自分の気持ちをどこまでわかってくれているか、逆に相手の言おうとしていることが本当にわかっているか、不安に思うことはありませんか?
 平成27年9月から溝口病院でも集団精神療法が始まりました。毎週木曜午後に統合失調症の方のためのSST(生活技能訓練)を行っています。心理士の先生が中心となって、相手への気持ちの伝え方や自分の気持ちの理解などをともに学び実践しています。私も隅で参加させていただいておりますが、自分の感情の表現が出来ているようで出来ていないポイントに気付き目から鱗が落ちる思いです。就労を目指す方、意欲や行動のきっかけにしたい方、家族との関係改善を目指す方など皆さんが目標を持って参加されています。自分の気持ちを相手に伝えたい、同じように悩む他の人と気持ちを共有したい、心理士の先生が汲む美味しいコーヒーが飲みたい。目標はそれぞれでも構いません。この治療はきっとあなたの助けになります。興味のある方、病院スタッフに気軽に声をかけてください。待っています。

病院機能の紹介~2病棟の役割~

 2病棟は、精神科急性期治療病棟です。精神症状の悪化した急性期の患者様も含め新規入院患者様のほとんどが2病棟に入院します。統合失調症や感情障害の方がほとんどですが、最近では認知症の新規入院も多くなっています。平均在院日数は50日~60日で多くの患者様が比較的短い期間で入退院をしています。また、90日を入院期間の目安としており、その前後で退院または療養病棟への転棟をしています。入院期間が短い為、一人の患者様とじっくりと長く関わることはあまりできませんが、集中的な治療が出来るよう入院直後から病棟スタッフと他職種のスタッフが、患者様のケアについて様々な面から検討し、援助をしています。精神症状の悪化が顕著で、入院や治療に対し納得しておらず、援助の難しいケースも多いですが、できるだけ丁寧な対応をし、治療環境を整えることで患者様が安心して過ごし、早期に治療に繋げることが出来るよう目指しています。
 また、今年度より病棟看護師を中心としたレクリエーションに力を入れています。レク係を中心に、毎月その季節に合った内容で、多くの患者様が興味をもち、楽しんでもらえるよう企画をしています。今年度は駄菓子屋さんや夏祭り、運動会などを行いました。レクリエーションを楽しんでもらいながら、日常のケアだけでは見ることができない患者様の新たな一面を見ることができる機会となっています。毎回病棟レクリエーションの日には、担当係だけでなく、ほとんどのスタッフが一緒に参加し、患者様と一緒に楽しんでいます。
そして昨年より、看護室前に新たに個室を2室設置し、身体管理を中心とした患者様のケアを行う事が出来るようになりました。以前より身体処置がスムーズに行う事が出来るようになったため以前より様々な患者様に対応しています。
 多くの患者様がおり、常に変化のある病棟ですが、スタッフ全員で協力し合い、カンファレンスなどで活発に意見交換をしながら、安全にケアが行われるよう日々の業務に取り組んでいます。

フットサル全国大会

 2015年10月3日(土)名古屋市のテバ・オーシャンアリーナにて、『第1回ソーシャルフットボール全国大会』が開催されました。全国から12チームが出場し、東海地区代表としてVACS-GELA(ヴァカス・ゲーラ)静岡が参加をしました。溝口病院からも、VACS-GELA静岡の選手として多くの方が参加されました。今回の大会は、来年に行われる『精神障害者フットサル世界大会in日本』への出場権利を得ることが出来るという大会でもありました。
 静岡県中部地区のチームとしてVACS-GELA静岡が誕生して1年との事であり、当院のメンバーも毎月の練習会に参加し、大会や練習試合を通して力をつけてきました。結果として全国大会の舞台を踏めたことは非常に素晴らしい事であり、とても嬉しく思います。これからもフットサルの活動をメンバーの皆様と一緒に当院のスタッフも参加して盛り上げていきたいと思います。

病棟バイキング そば打ち体験

 9月の病棟バイキングでは、そば打ち職人をお招きして手打ちそばのバイキングを行いました。患者様の前でそば打ちの実演や説明をしていただき、多くの方が熱心に見入っていました。
 待ちに待ったバイキングがスタートすると、おかわり用に用意されていたそばもほぼ完食となる程の大好評。美味しそうに召し上がっている皆様の笑顔が印象的でした。
 食べ終わった後に、希望された数名の方にそば打ちの体験を実際に行っていただきました。そば粉を練る作業、生地を伸ばす作業、包丁で切る作業と分担して、慣れない作業にも一生懸命。とても真剣に取り組まれていました。
 月に一度の病棟バイキングでは、これからも患者様に喜んでいただけるよう企画をしていきたいと思いますので、乞うご期待!

散歩

 9月15日に護国神社へ散歩に出かけました。患者様16名、OTスタッフと病棟職員が付き添って目的地に向かいました。入院生活もあり、あまり長い距離を歩く機会がなく途中疲れた様子も見られましたが、神社に着くとほっとした表情を浮かべていました。
 到着後は飲み物やお菓子を食べながらゆったりと過ごしました。参拝したり、のんびり横になって過ごしたり、疲れてもう帰りたいと言ったりと色々なエピソードがありました。次もお弁当を持って行きたいねと言う人や、歩く事にもうこりごりと疲れた表情をしている人など様々でしたが、今回の散歩も患者様にとって良い経験になったと思います。

風船バレー大会

 9月11日に風船バレー大会が病棟で行われました。2つのチームに分け、点数をつける全員参加型のゲームで内容はうちわで風船を相手チームに投げ返すバレーボールです。
 普段は座っている事が多い患者様もゲームに参加され、生き生きとした表情で先頭に立ち、うちわで風船を勢いよく相手に打ち返し、「やったぞ!」と満面の笑みでした。また、別の方は愛用している帽子にうちわを取り付けてやる気も満々な様子。手にうちわを持って風船を一生懸命追っていました。
 応援している方々も必死になって声を出し、キラキラと瞳を輝かせ真剣に参加している様子見て職員も計画して良かったと感じました。

デイケア日帰り旅行

 デイケア日帰り旅行で【まかいの牧場】へ行ってきました。今回の外出はデイケアのメンバーさんが主体となって、予算を考慮し候補地の中から行き先を決めてバスの手配を行いました。
 前々日まで降り続いた雨のため天候が心配でしたが、朝から抜けるような良い天気となりました。
 まかいの牧場に着き、入場直後にしぼりたての牛乳のサービスをいただきました。市販の牛乳よりも甘く美味しかったです。その後は各自で時間を過ごし、乗馬や乳搾り体験を楽しむ人もいれば、アイスクリームやチーズなどの食を楽しむ人、広大な敷地を散歩してアスレチックを楽しむ人達もいました。集合時間いっぱいまで楽しみ、みんな満足そうな表情でした。
 牧場で過ごす時間は、いろいろな動物と触れ合えたり、美味しい物を食べたり、景色を眺めたりと普段の生活では味わえない体験をさせてもらえました。たくさん動いて体は疲れましたが、どこか心はスッキリとしたように感じました。また、みんなで行きたいと思いました。

楽器のあれこれ

 今回紹介する楽器は、気軽に、簡単に楽しく演奏できるメジャースケール(長音階)のアコースティック楽器です。カナダのシーガルギターのマーリン楽器です。調弦が1弦、2弦がD(レ)で3弦がA(ラ)、4弦は1、2弦より1オクターブ低いという変則な調弦です。
 演奏方法はコード弾きでもよいし、単音を使ったメロディでの演奏にもごく普通に対応しているとのこと。歌の伴奏やソロプレイもできるようです。気になるサウンドは…癒し系のサウンド?機会があったら、触ってみてください。

書道のあれこれ

動「ムーヴ」 

ドーナツが好き。
まんまるの形、味は素朴なもの。
ほおばると、自然と笑顔がこぼれます。
そして、「ドーナツのド」→「ドー」→「どうー」→「動」です。(ちょっと苦しい?)
今回は、堅さの異なる筆を7本組み合わせて、濃く溶いた珈琲で書いてみました。
所々のにじみが夕日のようなアクセントになっています。
季節は移り変わっていきます。日々のさまざまな「動」への気づきを大切にしたいですね。

川柳・俳句コーナー

 今回は「秋」や秋にまつわる季語を使った川柳や俳句を書いていただきました。書いてくださる患者様も増え、個性あふれる作品に仕上がりました。

『秋雨に けぶる山並 傘掲げ』 二陸
『赤とんぼ むらがりとぶよ 散歩かな』 M.S
『初秋のみ クリの実を食べ お茶を飲む』 T.A
『秋の日の 夕日にしずむ 白いくも』
『ナースさん 元気でいいね ホスピタル』 キャサリン
『新聞を 持つ方痛む 秋の朝』 H.S